2016年7月7日木曜日

Arca - Entrañas




Arca has released a new free mixtape which includes 14 tracks via SoundCloud.

It features collaborations with Mica Levi, Total Freedom and Massacooramaan, and follows the Jesse Kanda-directed video for closing track ‘Sin Rumbo’



Entrañas

1.Pérdida
2.Torero
3.Culebra
4.Vicar
5.Cement Garden interlude
6.Baby Doll / ft. Mica Levi
7.Lulled
8.Think of / ft. Mica Levi & Massacooraman
9.Clocked
10.Pargo
11.Turnt / ft. Total Freedom
12.Girasol
13.Fount
14.Sin Rumbo

And MV/Sin Rumbo below.



(JP) 奇才プロデューサーArcaが今月自身のTwitter上でMV公開とともにリリースを仄めかしていたフリー音源がリリースされました。こちらは25分のMixtapeとなっており、14曲がフィーチャーされており、もちろん、先行公開されたMV/Sin Rumboも収録。その他に Micachu名義での活動でも知られるMica Levi、Total Freedom、Massacooramaanらがフィーチャーされています。

また、この音源はSoundcloudに記載されているリンクからDL可能です。

ちなみに参加しているミュージシャンも皆、異形のトラックメイカーばかりで、Arcaの世界観にマッチしていますね(笑)。






2016年7月6日水曜日

Sven Väth caught watching Euro 2016 on his phone during festival set





















Sven Väth caught watching Euro 2016 on his phone during festival set.

(JP) 今、話題のSven Väth が自身のDJプレー中にEURO2016をiPhoneで観ていた事件ですが、いわゆる押すだけ、当て振りのPCDJセットに比べたら、アナログでしっかりDJしながら、プレーしているので、これはこれで神業というか、ギリギリOKな感じがしないこともないかなと。

もちろん、100%DJプレーに集中して頂いた方が、客側の心理としては嬉しいことには間違いありませんが。。。

ちなみにこの動画でプレーしている曲、Sven Väth - Accident In Paradise (KiNK Remix)カッコ良いですね。TB303のアシッドなシンセ、シビれます。

2016年7月2日土曜日

Electro house回顧録1




-In the summer of 2006 the Klaxons spawned nu rave, but the real youth subculture of the mid-00s was the music that DJs played after bands had finished: blog house.-
via http://www.factmag.com/2016/06/16/30-best-blog-house-tracks/

少し前の記事ですが、海外音楽サイトFactが、所謂エレクトロハウスを振り返る特集記事を掲載しまして、それがちょうどその時代を生きてきた自分と致しましては、思うことがあったので、今回はその特集に触れながら、エレクトロ黄金期を振り返っていこうと思います。

Factが特集しているのは海外では"Blog House"と呼ばれるものです。これは端的に説明するなら、この2006年〜2009年の3年ほどの間に世界的に広がりを見せたSNSの先駆者である"Myspace"を中心に作品を発表していたエレクトロ系のアーティスト達の曲で、今も現存する”Hype Machine”というキュレーションサイトで人気を集めていた曲をひっくるめていう呼称のひとつです。(日本だとこのあたりは一般的にはエレクトロハウスと呼ばれているものです。 )



2006年の夏にKlaxonsが提唱した"Nu Rave"は、既存の音楽メディアはもちろん取り上げたのですが、これを世界的に有名にした一番の原動力は先述の"Myspace"です。その後いつの間にか"Nu Rave" という言葉はあまり見かけることはなくなり、いつの間にかこの手のものも"Electro"という言葉に統一されていきました。

Factに書かれていることで面白いと思った点のひとつは、「00年代中期のユースサブカルチャーの真のトレンドは、"Nu Rave"バンドの演奏が終わったあとでDJがプレイした音楽だった」と指摘した点です。そして、その音楽とはつまり「Blog House / ネット上で人気を集めたエレクトロハウス」なのです。

Blog Houseとは?
では、一体「Blog House」って一体なのことなのか?ということを説明しますと、先ほども書いたようにこの当時、Myspace上で人気を集めたエレクトロ系アーティストが制作した曲で、それが”Hype Machine”上で人気を集めた、バズった曲のことを指します。

”Hype Machine”は、世界中の人気音楽ブログをキュレーションするサイトで、そこにアクセスして、例えば「Justice」とサーチボックスに打ち込めば、Justiceに関連することを書いているブログの一覧が表示され、ユーザーはその中から好きなブログにアクセスができます。

その当時の”Hype Machine”の人気の理由は、色々なブログにアクセスして、そのブログが紹介している音源を無料でダウンロードできるというものです。これは特にDJをしている人間からは人気を集める理由となりました。なにしろ、当時の流行の音源を無料でゲットできるのですから。

ただ、これもFactが指摘している点ですが、この「Blog House」音源のほとんどは、音質が悪いです。MP3で言えば128kbpsとかのものもザラ。しかもコピーにコピーを重ねているものも多くあったので、さらに音質は劣化しているものもしばしば(笑)。ただ、そのあたりは、DLする側は結構スルーしてきた点でもあると思います。

その理由のひとつはこれまでと違いCDJが普及したこと、それとPCDJが徐々にクラブの現場に現れ出してきた時代で、昔と違い、DJ mixの基本スキルがなくても、家にテクニクスのタンテがなくても初心者が「DJになれる時代の夜明け」みたいな時代だったこともあったからです。

そして、ブログの運営者側も人気ブログになるために、やはり内容、音源ともに人気有名ブログのコピーを繰り返します(笑)。また、この辺の構図も非常に面白い関係性のもと出来上がっていました。

作り手は人気ブログを”Hype Machine”で見つけて、音源を送ります。そしてそれがブロガーに気に入られたらもちろん、ブログ上で紹介してくれますので、その掲載の事実を自身のMyspaceで宣伝。そうすれば、ファンベースが拡大。名前が通れば通るほど、ブログにピックアップされやすくなる。その結果、さらなるファンを獲得。いつかは有名レーベルからリリースを!という野望を持つわけです。

そういったことから、特にエレクトロファン、クリエーター、ブロガーから、このBlog Houseの化身とも言えるHype Machineは高い注目度、人気を集めるサイトでした。そしてこれが、簡潔なBlog Houseの説明です。

Blog Houseの真骨頂
当時の時代を生きてきた中での経験からいうとこのBlog Houseの真骨頂は、知られざる「2巡目、3巡目」のアーティストを発掘する場だったということに尽きます。仮に一巡目を、Justiceらフレンチ・エレクトロ勢、同じくフレンチ勢を中心に世界中からアーティストを見つけてきたKitsune、オーストラリアのModular勢、Boyz Noizeらドイツ勢らとすると、そのフォロワー的アーティストで、おお、これは!というような存在を見つけることができました。



ここでいう「2巡目、3巡目」のアーティストの基準は、個人的には日本ではCDが買えない、もしくはデータリリースのみ、かつ日本のメディアには一切取り上げられない存在という風に定義します。




そう定義すると、Sound of allows、Louis La Roche、Stay Ali、Digikid 84、The Phantom's Revenge、Futurecop!、その他多数は、Myspaceではかなりのフォロワー数を誇っていましたが、日本にはフィジカルに輸入されることはなかったです。しかしながら、この当時のエレクトロ系のDJは、このBlog Houseの人気者については、当然のことながら詳しいかったものです。なにしろ、情報をレコ屋とかではなく、”Hype Machine”で常にチェックしているのですから。



やはりDJたるもの我先にと誰も知らないイケてる曲をかけたいという性がありますので、音質が悪くても、中には気にせずデッキに落とし込む人も相当数いました。よく知人と当時を振り返って言う言葉で、「荒さもまたエレクトロ」というものがあるのですが、一般的にはエレクトロハウスはシンセにガンガンにディストーションをかけて歪ませて、コンプで音圧をパンパンにする、ある意味勢い任せで派手さ重視なところがあり、どうしても荒くなってしまうのですが、この言葉はそれだけでなく、こういったBlog Houseのことも含めて指す言葉だと個人的には考えています。




Yosi Horikawa & Daisuke Tanabe - Song for Rémy



Japanese producers Yosi Horikawa & Daisuke Tanabe recorded in the summer of 2015 during the Worldwide Festival in Sète, this is the first result of our annual Japan Day* initiative.



Quote:
Created by Yosi Horikawa and Daisuke Tanabe from recordings made during the week of the festival, Song for Rémy is dedicated to Rémy Kolpa Kopoul, who aside from being a great friend to the festival, was also a huge inspiration to the musical community throughout French-speaking countries and beyond.

His passion and love of sharing exotic sounds and ideas will be missed forever…

I’m sure he would have loved and played this collage of sound taken from his favourite seaside retreat as much as I do!

Gilles Peterson
May 2016

(JP) Yosi Horikawa & Daisuke Tanabeのゴールデンコンビが昨年フランスで行われたGilles Peterson主催 Worldwide Festival参加時に録音された音源です。

1:30~くらいからの子供の声をカットアップしたサンプル使い、3:20~からのいかついドラムとこれまたカットアップされたホーンが「電子音楽とフリージャズの融合」といった感じで、印象的なトラックになっています。

こちらは現在、bandcampでヴァイナルとデジタルで販売されており、購入可能となっています。

June Marieezy & FKJ - Red Bull Studios Amsterdam


A Paris based producer FKJ who is a founder of Roche Musique uploaded a new studio session video.   His collaborator June Marieezy who is a Manila based asian singer sang with beautiful & trip voice. 

This song was created at this very moment anyway...


Here is June Marieezy & FKJ's other work which is also very beautiful & smooth jazzy music. 


(JP)フランスの洒落たアーバンダンスミュージックの新機軸を打ち立てたRoche Musiqueのボス、FKJが以前からコラボレートしているフィリピン・マニラを拠点とするシンガー、June MarieezyとアムステルダムのRed Bull Studiosスタジオでセッションした様子が動画で公開されています。

動画ではFKJのマルチプレーヤーぶりに驚かされるのですが、見れば見るほど、このシンガー、June Marieezyの歌声の素晴らしさにやられます。FJKがリミックスをした、"Fly"という曲があるのですが、これの原曲も素晴らしいです。


初期のTri angleの作品にも通じるウイッチハウス〜インディーR&B感あるトラックで、好きな人は病みつきになる要素満載だと思います。

その他にもこの曲が収録されているEP/VergoはJazzy寄りなトラックが多いのですが、Banks、FKA twigsなどのシンガーが好きなら是非チェックしておきたいところです。

2016年7月1日金曜日

Second Woman - "700358bc5"




Second Woman is a new collaborative project featuring Turk Dietrich of Belong and Joshua Eustis of the renowned Telefon Tel Aviv. As one would imagine, Second Woman is a nonpareil debut of futuristic electronic music fusing the coveted genetics of the duos respective previous endeavors into an alluring new enigma of ASMR-inducing kaleidoscopic dub. Second Woman is a fully realized entity; a well-crafted sound world and a refreshing shared effort which is inspiring in its purity and painstaking in its design.



(JP) Spectrum Spoolsという電子音響系レーベルがリリースする”Second Woman”によるセルフタイトルのアルバムが、先鋭さで今年の上半期で一番かなと印象を持っています。

この”Second Woman”にはシカゴを拠点に活動する「Telefon Tel Aviv」のJoshua Eustisがメンバーとして参加、IDM復活の兆しがにわかに見える今年のシーンにおいてダークホース的な存在かなと思っています。

複雑にプログラミングされたビートと電子音が印象的な"700358bc5”、トリッピーで、スピードチェンジを繰り返すシンセが印象的な"100407jd7”が現在ネット上では試聴可能で、この手の音楽特有のリズミカルで”弾ける”感じが◎。

王道なIDMをお求めの方には是非お勧めしたいアルバムです。





bvdub - A Thousand Words


bvdub releases his new ambient master piece  "A Thousand Words".


A Thousand Words is his longest, largest work to date, and what we can likely all agree this was all coming to - one, single 77-minute piece. Much more than one single narrative, however, it is comprised of 19 movements, and over 500 channels of audio... all performed in one take, live.

**$3 from every sale of this album will be donated to the Animal Rescue League of Berks County (PA), SPCA of Wake County (NC), and numerous fledgling rescue centers in Europe who are instituting programs that encourage children to read to cats every day after school**



(JP)ここのところ沈黙を守っていたDub Techno/Ambientシーン孤高のカリスマ、bvdubが新作をリリースしました。

この新作アルバム「A Thousand Words」はbandcamp上で突如発表され、1曲77分21秒という大作となっています。

なお、このアルバム収益のうち3ドルは、「Animal Rescue League of Berks County」や「SPCA of Wake County」等の動物支援団体に寄付されることになっているとのことです。

ちなみに1テイクのライブレコーディングで完成した楽曲は、500チャンネル以上のオーディオファイルで構成され、これまでの作品の中でもトップクラスに美しく壮大なサウンドスケープが展開されています。

個人的に好きなパートは、28分くらいからのbvdubらしい空間的なリヴァーヴの波が押し寄せてくる感じのアンビエントシンセレイヤーのパートが鳴り止んで、32分くらいから始まる叙情的なピアノパートです。

普段アンビエントを聴かない人も是非、一度日常生活におけるBGMとして聴いてみると良いでしょう。

ちなみにbvdubが東京のレーベルAYからリリースしたこのアルバムも傑作ですので、今回の作品が気に入った方はこちらも併せて聴いてみては?